~夏本番 山の不思議な話~
昔は小屋での夜の娯楽 山の語り「思い出になれば・・・」
「お盆なので供養の意味を込め、心の中でお経を唱えながら話します」低くしわがれた声の男性を、
車座になった約三十人の宿泊者らが見つめる。「目玉は陥没し、歯は飛び出してミイラそのものだった」
話が佳境に入ると、一人の少女が父親にしがみついた。
8月13日夜、オーレン小屋のおやっさんが遥か昔、春先に登山者の遺体を発見した際の体験を語っていた。
「遺体のあった部屋の天井にお札を張っているけど、営業期間は外しちゃう。今夜その部屋に泊まる人は、年末宝くじが当たるかも」どっと笑いが起きた。
「山の思い出になれば」。学校登山の中学生や一般向けにおやっさんは要望があればこうした話の語りを快く引き受ける。根底で「二度と悲惨な遭難が起きないように」と思いを込めているという。
夜遅くまで盛り上がったことも
現在、オーレン小屋のおやっさんのように、登山者らに語って聞かせる山小屋は少なくなった。
おやっさんは「昔は多くの山小屋で代表的な夜の娯楽だった。怖がるうちに恋が生まれたりして楽しかったね」と
懐かしむ。 ~信濃毎日新聞社 八ヶ岳 信濃毎日新聞社編集局編 より抜粋。
オーレン小屋では、夏になると山の語りが日常的に行われています。
今、オーレン小屋で検索すると幽霊というキーワードが付いていますが、それはおやっさんの話が有名だからです。
50年間小屋番をして、70歳を超えてもなお現役で山に常駐し、遭難救助、歩荷、登山道整備をしている親爺さんは
八ヶ岳でも貴重な存在です。まさにレジェンドに近いです!
学校登山の時は毎年数千人単位でお話しをしますので年数で考えたら数万人は聞いているでしょう。
先生の話では、おやっさんが話をしてくれると、皆静かに寝てくれるから助かるよ(笑)と毎年リクエストする学校もあるほどです。おやっさんの話は怪談話から遭難救助、ダケカンバの不思議な話等幾通りもあります。
そこで8月8日(月)~8月11日(木・山の日)ではおやっさんの山の語りを行います。
宿泊者には夕食後、ケーキとネパールチャイのサービス、そして語りがあります。
どうぞお楽しみに~♪
おやっさんの山の不思議話は本になっています。また近々、新作がでるかも・・・。
他の小屋の親爺さんたちの話も掲載されています。とても楽しい本でおすすめです!