八ヶ岳だより

オーレン小屋おすすめプラン

小屋番ブログ 八ヶ岳オーレン小屋の星空観察方法

visual007.jpg

オーレン小屋では、普段都会では味わうことのできない圧倒的な美しさを持った満天の星空の元、特別な一夜を過ごすことができます。

八ヶ岳の標高2,330mに位置する当小屋は、当たり一面森に囲まれて何もないところだからこそ、夜は満天の星空を眺める事ができます。小屋のテラスでは、天気さえ良ければ驚くほどたくさんの星々が夜空を埋めつくします。

それはまるで宝石箱を開けたような星空です。

また天の川や流星もよく見られます。晴れた夜には、テラスやテント場のあちらこちらから「あ!流れ星見えた」という歓声が上がります。

肉眼でも十分に楽しめる星空ですが、当小屋では、双眼鏡の貸出を行っております。季節や時期によりますが、スバルや月のクレーター、天の川に散らばる星雲などは、双眼鏡で見るとさらに感動的です。

オーレン小屋 フォトギャラリー(星空写真あります)

 オーレン小屋 満天の星空タイムラプス(オススメです)



星っていつ見るのがいいの?(時間帯)

見える星は季節や時間帯によって変化します。「夏の星座」「冬の星座」といった季節の星座は、一般にその季節の夕方から夜半にかけてよく見える星座をさしています。

当小屋では、一般の方は夕食後、20時~21時(消灯まで)をオススメしています。

星空撮影の方は、消灯後撮影する方が多いですが、その場合、テント泊の方の就寝の妨げにならないよう注意が必要です。静かにお願いします。

 


星っていつ見るのがいいの?(日程)

新月の前後2週間くらいが好条件です。

夜空いっぱいの星を見るには、周囲ができるだけ暗いことが条件です。月が明るい晩は、残念ながら満天の星を見る事ができません。
月以外の星や天の川、流れ星などを見たい場合には、できるだけ月の影響を受けにくい、空の暗い日を選びましょう。カレンダーや暦で新月の日を確認し、その前後2週間くらいが好条件で天の川や流れ星を見られるチャンスです。
月が明るい時は月面を観察します。大小のクレーターや月の海、荒々しい地形が手に取るように見えます。

 


 

星を見るのに最適な場所は?

小屋の周辺は森に囲まれているので町の光が入ってきませんが、小屋の灯り、外灯などがあるので、

場所を選んで鑑賞してください。

オススメの場所は小屋前のテント場です。目の前の橋を渡った先にあります。徒歩10秒

テント泊の方が居ますので静かにお願いします。

 


星を見る時に必要な物は?

当小屋のように標高の高い場所では、肉眼でもたくさんの星が見えるので充分に楽しむことができます。

また星座早見盤や双眼鏡の無料貸出を行っていますのでお気軽にスタッフまでお声かけください。
双眼鏡を使うと肉眼では見る事の出来ないさまざまな天体を拡大して観察できるので、楽しみがさらに広がります。

他には、ヘッドライト(足元のみで空は照らさないでください、出来れば赤色ライトがオススメです)

防寒着(山の夜は冷えます、季節に合わせて暖かいアウターを着てください)が必要です。

 


天の川が見てみたい!

天の川を見るには空が暗いことが条件となるので、月のない晩に楽しんで下さい。

 


流れ星が見たい!

流れ星は、空の暗い場所であれば一年中いつでも見えます。
でも標高の高い場所では暗い流星まで見えるので、見える確率が格段に高くなります。

当小屋のテント場では、雲の無い日で30分ほどいれば流れ星の見えない日はまずありません。
特にたくさんの流星を見たい場合には、8月のペルセウス座流星群の時期がオススメです。

 


ファミリーの方の注意点

 
ヘッドライト(出来れば赤色ライト)について

・お一人様1つは必携です。安全の為、お子様にも持たせてください。

・テント場ではテント泊の方が寝ていますのでテントにライトを向けることはしないでください。

・星空や鑑賞している方や写真撮影方にも向けないでください。

・定位置に来たらライトを消して、目が暗闇に慣れるまで少しお待ちください。

季節に合わせた防寒着が必要です。特にお風呂上りで髪の毛が濡れている時は止めてください。

 靴は小屋の貸出サンダルでなく靴をオススメします。

お子様は保護者が手をつないで鑑賞してください。

また大声を出さずに静かにお願いします。

テント場は100張出来るくらい広いですが、ペグなどが張られているのであまり奥には行かない方が

良いと思います。出来れば昼間のうちに下見しておくのもおすすめです。

小屋番ブログ イベント「山のトラブル対処術(たいしょほう)」報告 2018.06.09

18‗06-09山のトラブル対処術1.jpg

2018年6月9日(土)PM18:30~

八ヶ岳自然と森の学校「山のトラブル対処術」

講師:伊藤岳先生(兵庫県立加古川医療センター救急科医師、日本山岳ガイド協会FA委員)

イベント開催報告をいたします。

※オーレン小屋では安全登山啓発運動の一環で、30年前より、山岳気象、読図講習、

セルフレスキュー、山岳医療の話等の講習会を年1回行なっています。

 

 伊藤先生の講習会は、昨年から始まり2年目のイベントですが、

 今年はアウトドアメーカーの「finetrack(ファイントラック)」、

山岳保険の「やまきふ共済会」の協力を得て、さらに素晴らしいイベントになりました。

 

今年のテーマは、高山病と低体温症です。

18_06-09山のトラブル対処術2-1.jpg

始る前に、小屋の親爺さんから、昨年冬山での遭難事故についてのお話しがありました。

低体温症と疲労、登山計画、天候など様々な要因があったかもしれませんが、

山は美しさと厳しさが混在している所、無事に帰ってこそ楽しい登山になるけど、

遭難したら今まで頑張ってきた登山が台無しになる。だから自分で自分の身を守るため、

今日はしっかり学んでほしいという話から始まり、最後は親爺さんのポケットマネーで購入した、

NASAの為に開発された技術を転用して作った保温シートが参加者全員にプレゼントされました。

冬山ではこれで助かるかはわからないけど、夏山や家に帰ったあとでも、災害時にバッグの中に

持っているだけで助かる命もあるかもしれないとの事です。

 

昨年の冬の根石岳遭難は、もどかしい気持ちでした。

小屋が営業していたら救助に行けたかもと思うと残念です。

親爺さんの保温シートは同じ事が起きないようにお守り替わりだと思います。

 

18_06-09山のトラブル対処術3-1.jpg  

伊藤岳先生のお話しですが、

北アルプスの山小屋診療所の話、ヒマラヤ登山、ドクターヘリのお話しや高山病、低体温症の対処方法等分かりやすく説明していただきました。今講習を受けた方から、さらにその先の方へ知識が伝わっていき、山の事故が少なくなればと願うばかりです。

今年は、小屋宿泊者だけでなく、テント泊の方も参加してもらいましたので、より多くの方に、学んでもらいました。


18_06-09山のトラブル対処術5-1.jpg  

次に、finetrack(ファイントラック)の近藤靖子さんから下記のお話しがありました。

近藤さんは東京渋谷のfinetrack TOKYO BASEのスタッフさんで、オーレン小屋の小屋番を

2シーズンやっていた事があります。

1.汗冷えの弊害とその解消法についてのお話⇒ドライレイヤーの紹介

スキンメッシュをバケツの水につけて、どれだけ速乾性があるかなど実演

2.ウェアのお手入れ方法

洗濯の重要性とオールウォッシュの紹介+試供品プレゼント

 

<オーレンスタッフコメント>

実は、私(岳)も個人的にスキンメッシュを使っていて、その実用性が分かっているのでお勧めしたいウェアです。

小屋では、主に、小屋開けの積雪時のルート開け、梅雨時の歩荷、フラワートレッキングガイド補佐等稜線に出る時や悪天候、ハードワークを想定した時等にとても頼りになります。

山で生活している私たちでも汗冷えは怖いものです。低体温症は体力を奪うばかりでなく、生命の危険もあるのでスキンメッシュは自分自身を守れるので有難いです。

 

今回のイベントでは、やまきふ共済会にもご協力いただきました。

小屋では、日頃から山岳保険加入を推奨しています。

安全登山の観点から、安心して登山を楽しむために山岳保険加入は今や常識になってきています。

まだ加入していない方は是非この機会にどうぞ。

山岳保険は様々な会社がありますが、やまきふ共済会は遭難対策費用等に積極的に寄付を行っています。

八ヶ岳では毎年、登山道整備や案内看板整備等でお世話になっています。

 

※最後に、今年も、伊藤岳先生に支払う謝礼は、所属するNPO災害人道医療支援会HuMAへご寄付し、災害支援に使用していただくことになっています。 

今回も素晴らしい講習会を開催する事ができました。

講師の伊藤岳先生、参加者の皆様、スポンサーの皆様ありがとうございました。

 

~おまけ~

18_06-09山のトラブル対処術おまけ.jpg  

イベントの後は、伊藤岳先生を囲んで、懇親会を行いました。

地酒がお好きという事で、今回は大七、作、獺祭、オリジナルラベルの付いたワインが並びます。

先生の誕生日が近いという事で、仲間の方が手作りケーキやおやつをご用意、盛り上がりました♪

  


  • Page 1 of 1
  • 1
ページ先頭へ