2017年02月02日
小屋番ブログ 登山道整備1
オーレン小屋では、登山道整備を定期的に行っています。
登山道は、雨水や台風、雪融け後などにより、荒れてしまいます。
治すことで一時的に元通りになりますが、「自然」を止めることはできません。
定期的に点検を行い、早めに対処するのが最良です。
登山道整備は下記3つの方法があります。
1.定期的に水切りを行う方法
※水切りとは大雨時に登山道の土砂が流されないように、谷側に、水の通り道を作る作業です。この作業は、定期的に地道行わないと効果がありません。
当小屋では、歩荷時(頻度としては週2回)、台風前は、念入りに行います。
写真:水切り(排水溝を作る事)
2.荒れた後、応急的に行う方法
※対処法です。山では材料が無いので、土のうを使用したり、ジョレンで水切りを確保する方法です。当小屋では、先代からの言い伝えで、「何があっても登山者の道(エスケープルート)は作れ」と言う事で、仮でもなんとか通れるようにしています。
3.計画的に行う方法
※材料をヘリで荷揚げし、水切りや土留め、階段ステップ、橋の架け替えなど作業を行います。期間は数週間かかります。自然とのお付き合いに完璧はありませんが、少しでも長く使えるように治します。
今年、第3の方法を行います。場所は、まだ計画段階なので詳しくはお話しできませんが、
オーレン小屋周辺の山です。
その山は、整備を行わないと、台風時は、登山道が川になってしまい、土砂が流れ周囲の樹々の根っこを洗い、毎年、数本が倒れています。
写真:樹木の根が剥き出しになり、倒れそうな様子
そうなると登山道はどうなるのか???
台風時等、登山道が川になり徐々に幅が広がり、さらなる樹々が倒され、いずれは土砂崩れが発生するかもしれません。それを防ぐために、今回の整備を行いたいと考えています。
昨年、北海道にいる登山道整備の先生に、八ヶ岳の麓で講習会を行っていただきました。
その先生は、「登山道は川と思え」と言ってましたがその通りだと思います。
そう考えると対処方法が自ずと見えてきます。
先生から教えていただいた方法を元に、先ずは、「水切り」を行います。その後、「土留め」を行いたいと思います。
詳細は、随時、HP又はFacebook等でお知らせしていきますのでよろしくお願い致します。
近自然工法 合同会社 北海道山岳整備(参考になるサイトです)
http://www.potato.ne.jp/sangakuseibi/index.html